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大変古いのであるが、実践例をあげる。
【指導の手順】
(ア)第一時(導入):教科書でふれた、目標となる文法事項を復習する。「最上級を表す比較級」の表現を教科書文中より抜きだして説明する。
(イ)第二時(展開1):実際のダイアログを作る課程。第一時でできた一対の対話文を発展させて、もっと状況のはっきりした対話文を作らせる。
(ウ)第三時(展開2):できあがった対話文を練習させる。ここではALTの力を借りて、“ヒューマン・コンピューター※”という手法をとる。
(エ)第四時(まとめ):対話文の練習の成果を発表させる。
【使用教科書】英語Ⅰ 平成8年度版 啓林館Milestone English I
・Lesson 5 “A Thousand Cranes”
言語材料「最上級を表す比較級の表現」
'Dialogue building'
STEP①
最上級を表す比較級の言い方を覚えましょう。
例文:a. Sadako wanted that more than anything else.
b. Alaska is bigger than any other state in the United States.
c. Nobody in the class can run faster than Tom.
・ S i t u a t i o n 1 :食卓にて
A:「もう少しポテトはいかがですか。」
B:「ええ、お願いします。これは今まで食べたどのポテトよりおいしいです。」
・ S i t u a t i o n 2:野球ファンの会話
A: 「野茂はすばらしいピッチャーだね。」
B:「日本のほかのどんなピッチャーも彼ほどには投げられないよ。(彼が最高だ)」
・ S i t u a t i o n 3:
A:「私のことどれくらい愛してる?」
B:「世界中のどんな男よりもさ(自分が最高に君を愛している)。」
・ S i t u a t i o n 4:(フリー)*自由に作ってみましょう。
Step②
それぞれのSituationの中から一つ選んで、もう少し長いDialogueを作りましょう。
Target Itemは序破急のどこに入れてもよい。
( 例 ) Situation 2を使った場合、→【破】にTargetを入れて
【序】 1 A:Wow! This is the tenth strike out in today's game.
2 B:It's incredible.
【破】 3 A:Nomo is a great pitcher.
4 B:No other Japanese pitcher can pitch better than he.
【急】 5 A:I agree with you.
6 B:I'm really proud of him as a Japanese.
↓
この序破急のどこかにTarget Itemをもってくる。Situationは1~6
のどれか一つを選ぶ。
序 1 A:
2 B:
破 3 A:
4 B:
急 5 A:
6 B:
Step③ プレゼンテーション
(自分達で作ったスキットを演じてみましょう!)
※ヒューマンコンピューター”Human Computer”
ヒューマニスティック・アプローチの一つの応用例である“コムニティー・ラングエッジ・ラーニング”の手法。テクニックのひとつに”Human Computer”と呼ばれる学習者主導の「繰り返し練習」がある。これは、通常指導者の後について練習させる読みの練習を、学習者の方からさせて指導者はその後について模範となる発音を繰り返す。学習者はあたかもコンピューターを扱うように、自分の好きなだけ好きなフレーズを繰り返し練習できる。
《まとめ》
この実践は、12ヶ月海外研修の成果を実際の授業発表として10年次研修でも授業公開した。
しかしながら、大変な手間と時間がかかるため、他の英語科教員と教科書の進度を揃えながら日々の実践で採用することは不可能な点が残念である。